弁士

弁士 【べんし a silent-film narrator】

 日本におけるサイレント時代に映画の上映に合わせて作品の補足解説を独特の口調で行った職業の人々。

 韓国や台湾、タイなどでも同様な人々が見られた。

 日本で映画の巡業が始まる1900年ごろから居り、1910年頃全国で映画館が開館していくと専属化し映画会社が育成する場合もあった。

 ”映画史を学ぶ クリティカル・ワーズ”村山 匡一郎編より

 前説も行っていたが、サイレント映画が普及するにつれしなくなった。

 また、日本ではサイレントの時代が下るにつれ、ますます盛んになったが諸外国では中間字幕のみとなっていった。

 トーキーが普及し弁士は廃れていったが、直ぐにではない。

 そもそも日本初の二重焼き付け(いわゆるスーパーインポーズの様な普段目にするもの)の登場は1931年のモロッコから。

 字幕が一般的になるまで、数年の間はトーキーでも弁士がいるのが普通だった。

 学会誌『映画研究』第4号(2009年)”トーキー時代の弁士―― 外国映画の日本語字幕あるいは「日本版」生成をめぐる考察”より

 ホームページ


inserted by FC2 system